白樺樹液は、北半球の北方林とその南に続く半北方林の地域で春に飲まれてきた伝統的な飲み物で、その採取が今も重要な活動になっているのは、主にベラルーシ、エストニア、フィンランド、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、ロシア、ウクライナです。フィンランド食品庁のサイトにあるフィンランドの野生食用植物の表(2016年最終更新)は、白樺樹液を新規食品(ノベルフード)ではないとしています。1997年より前にEU域内で相当な規模で食品として使われていたことが知られ、あらゆる食品に使えるという意味です。
バーチウォーター、白樺樹液、白樺ジュースは同じ飲み物ですか
同じです。birch sap、birch water、birch sap water、birch tree juiceは、いずれも春に白樺の幹に穴をあけると流れ出る樹液か、それを使った飲み物を指します。ミンガイラらによる2020年のリトアニアの研究は、この樹液を無色またはわずかに乳白色を帯びた液体とし、少量の糖とかなりの量の溶け込んだミネラルによって、ほのかに甘いミネラルウォーターのような味がすると説明しています。研究に使った生の樹液の総糖量は0.81〜1.4%でした。
| 名前 | 指すもの |
|---|---|
| Birch water、birch tree water(バーチウォーター) | 容器入りの飲み物に使われる名前。USDA FoodData Centralでは、birch waterとして売られる商品が原材料に有機birch tree water、有機サトウキビ糖、クエン酸を挙げ、フルーツ入りのバーチウォーターはろ過水、有機白樺樹液、エリスリトール、クエン酸、いちご果汁濃縮物を挙げている。この名前の飲み物には、樹液以外のものが入っていることがある |
| Birch juice(白樺ジュース) | 樹液を指す呼び方でもある。ポーランドのBetula pendulaの樹液を調べた2020年の研究は同じ意味でbirch juiceと書いており、ポーランドの研究者はポーランド語のsok brzozowyをbirch sapと英訳している |
| Mahla | フィンランド語の呼び名。フィンランド食品庁の野生食用植物の表は、Betula pendulaとBetula pubescensの食用にされる部分の一つとしてmahlaを挙げている |
- Mingailaほか(2020)Forests:Betula pendulaの樹液の量と生化学的組成(英語)
- Staniszewskiほか(2020)PLOS ONE:Betula pendulaの樹液のミネラルと重金属(英語)
- Bilek、Pytko、Sosnowski(2016)Polish Journal for Sustainable Development:白樺樹液の保存性(ポーランド語、英文要旨あり)
- フィンランド食品庁:フィンランドの野生植物の食用歴(2016年更新、フィンランド語)
- USDA FoodData Central:birch water、ブランド食品2048950(英語)
- USDA FoodData Central:organic fruit and birch water、ブランド食品775984(英語)
樹液はどの白樺から、いつ採るのですか
樹液は自生する白樺から採り、主な種はBetula pendula(英名silver birch)とBetula pubescens(英名downy birch)です。ミンガイラらは、北方林で採取に最もよい時期を3月初めから4月初めとし、フィンランドやロシア北部のような北の国では採取が遅く始まるとしています。3つの現地調査では、次の期間に樹液が集められました。
| 場所と年 | 採取期間 |
|---|---|
| ポーランド中東部、2017年 | 気温が数日続けて8〜10℃になったところで試し穴をあけ、3月12日、18日、25日に樹液を集めた |
| リトアニアのカウナス地方、2017年 | 3月10日〜4月1日 |
| フィンランドの北カレリア、南サヴォ、北ポフヤンマー、2019年と2020年 | 市民科学者による記録の開始は平均で4月15日(2019年)と4月17日(2020年)、終了は5月10日と5月16日で、採取期間は平均25日と30日だった |
生の白樺樹液はどのくらいもち、どのような形で売られていますか
生の樹液は日持ちが短いものです。ビレクら(2016)は5つのロットを調べ、白樺樹液は常温では1日以内、冷蔵では約6日しか保存できないことを示しました。変化を見るのに最も役立った指標は濁りでした。フィンランド食品庁は、冷凍した樹液と加熱殺菌した樹液を別々に扱っています。
| 形 | フィンランド食品庁の扱い |
|---|---|
| 冷凍した樹液 | 有機製品を加工品と未加工品に分けた2026年の一覧で、未加工品とされている |
| 加熱殺菌(パスチャライズ)した樹液 | 同じ一覧で加工品とされている。食品事業の登録に関する指針は、樹液の加熱殺菌をリスクが低いとはいえない加工の例に挙げており、一次生産でこうした加工をする場合は登録の届け出が必要になる |
| 添加物や香料を加えた樹液 | 同じ指針は、樹液に添加物や香料を加えることも、リスクが低いとはいえない加工の例に挙げている |
参考資料
- Mingailaほか(2020)Forests:Betula pendulaの樹液の量と生化学的組成(英語)
- MiinaとKurttila(2022)Silva Fennica:市民科学者が採った白樺の樹液量のモデル(英語)
- Staniszewskiほか(2020)PLOS ONE:Betula pendulaの樹液のミネラルと重金属(英語)
- Bilek、Pytko、Sosnowski(2016)Polish Journal for Sustainable Development:白樺樹液の保存性(ポーランド語、英文要旨あり)
- フィンランド食品庁:フィンランドの野生植物の食用歴(2016年更新、フィンランド語)
- フィンランド食品庁:登録が必要な食品事業かどうか(フィンランド語)
- フィンランド食品庁:加工品と未加工品に分けた有機製品の一覧 2026年(フィンランド語)
- USDA FoodData Central:birch water、ブランド食品2048950(英語)
- USDA FoodData Central:organic fruit and birch water、ブランド食品775984(英語)